業務フローとER図を3D化してみた
業務システム向けの設計方法論である「3要素分析法」には、専用のモデリングツールXEAD Modelerが提供されている。業務システムの3要素(データ・機能・業務)をモデル化するための便利なOSSツールである。じつはこれを使って「3Dモデル」を手軽に作れる。
まずは、現在実装中の「CONCEPTWARE/生産管理」から「製造作業の流れ」の業務フロー(DFD)を見てもらおう(クリックで全体表示)。焦点を画面に置いたままでずっと向こうを見るような視線をとることで立体視しやすくなる。紺色の楕円で示された「業務プロセス」が手前に浮き上がって見える。
作り方は簡単だ。XEAD Modelerの業務フローを表示して画像データとして出力する。次に、各業務プロセスをわずかに左にずらしてからもう一度出力する。最初の画像の右側に後の画像を置けば、立体視できる業務フローが出来上がる。
業務プロセス毎に「奥行き」が微妙に違っている点に注意してほしい。DFDにおける矢印は「データの流れる方向」であって物事の「前後関係」ではない。しかし、業務フローとして説明する場合には、便宜上の順序があるほうが都合がいい。その順序が後であるほど手前に浮き出るように置かれている(左上から時計まわり)。
奥行き感がとくに効果的な要素は「矢印」の曲線だ。奥からギューンと手前に伸びる感じが面白い。これは「要素間を結ぶ線が直線では無粋すぎる。優雅で色っぽい曲線でないとダメだ」という私のバカなこだわりが生み出した効果である。
つづいて「製造指示データ管理サブシステム」のER図を見よう。これもまたテーブル関連の「曲線」がいい感じだ。
業務フローと同様に、ER図にも奥行きに時間的な前後関係が反映してある。3要素分析法のER図ではテーブル間のレイアウト基準が定められていて、多重度が多いほうを右側にずらして置くことになっている(上下関係に意味はない)。この3Dモデルでは、さらに「後」で発生するデータほど奥に配置されるようにしてある。
具体的には、工程の稼動計画が事前に決まっているところから始まるゆえに「作業区稼動計画」がいちばん手前に置かれている。これにもとづいて「製造指示」、「製造指示工程明細」、「製造指示材料明細」が同時に追加される。作業の進捗にしたがって他のデータが付加され、最後に外注工程に対する仕入計上がなされるのでそれらのテーブルがいちばん奥に置かれている。
とまあ面白いことは面白いが、実用価値はあんまりない。なにしろかなり縮小しないと、並べて立体視できるサイズにならない。モデル上の文字が読みにくかったり、図の一部をカットせざるを得ない。とはいえ、設計図面のレイアウト基準として「奥行き」が利用可能であるという事実だけでも示唆深...いやビミョーだ(><)
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