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2014.07.08

告知:「受注生産」のためのシステム開発ライブ

 今年の初頭に、ある技術者の方からこんなことを言われた。「大げさな部品表も要らないし、下手したら在庫管理も要らない。そんな受注生産型の中小零細メーカーがじつは大多数なんです。彼らのための手頃な生産管理システムがないんですよね」ちょうど「CONCEPTWARE/生産管理」の改修を進めていた頃だったので、次のターゲットを定めるきっかけになった。

 「CONCEPTWARE/生産管理」は「多品種・繰り返し生産」を旨としている。その大きな特長である「フィーチャ・オプション」は、顧客から求められる仕様の微妙な違いを品番の一種である「FOコード」として規定するための機構である。ひとつのFOコードにもとづいて何度も生産して、在庫したり出荷したりすることになる。

 いっぽうの受注生産(MTO,Make to order)型は「多品種」を扱う点は同じだが、新たな仕様が注文のたびに定義される点が異なる。したがって、作り過ぎたとしても他の注文向けに融通できない。そのような業態でとくに留意すべきは、半完成品を準備しておくこと、仕様違いにもとづいて見積を立てやすくしておくこと、それに生産歩留を良くすること、そして何よりも「顧客のわがままに柔軟に対応できること」だ。

 最後の点については、本間峰一氏の著書「受注生産に徹すれば利益はついてくる!」の受け売りである。日本の受注生産メーカーは、顧客のわがままに応えることで存続できてきたという面がある。それは見方によっては異様な状況ではあるのだが、本間氏はこれを前向きに捉える。その日本的な「おもてなし」の姿勢が、メーカーにとってグローバルな強みになり得るからだ。たいへん興味深い指摘である。

 こういったさまざまな課題を支援する生産管理システムとはどのようなものか。7月28日の「IT勉強宴会in大阪」では、私なりにまとめたモデルを示して、参加者の意見を取り入れながらその場で改善したいと考えている。さらに一部のモジュールについては、その場で実装して動かすところまで示したい。モデルは実装されることで、実際の使い勝手やフィージビリティがフィードバックされ、さらに磨かれるからだ。

 実装の完成版を公開する際には、従来の「CONCEPTWARE/生産管理」は「CONCEPTWARE/多品種繰り返し生産」として位置づけするつもりなので、以下の3種のモデルと実装が揃うことになる。これらが無料で手に入るのだから、つくづくいい時代になったものだ。

・CONCEPTWARE/販売管理
 卸売業向けの販売管理システム

・CONCEPTWARE/多品種繰り返し生産
 多品種繰り返し生産型の組立加工業向けの生産管理システム

・CONCEPTWARE/受注生産
 受注生産型の組立加工業向けの生産管理システム

 映画製作技術がどんなに発達しても「良い脚本」がなければ良い映画作品は完成しない。出来の悪い脚本でも撮影しながら改善できるなどと映画製作者は考えない。同様に、実装技術がどんなに発達しても「良い設計」がなければ良い業務システムは完成しない。アジャイル手法は有効だが、複雑なDBを伴う業務システムを相手にした場合、期待できる効果は「もともと出来の良かった設計がさらに良くなる」くらいでしかない。事前の設計をおろそかにしてはいけない(本ブログでの参考記事「動くソフトウエアを作る前にアジャイルモデリングを」)。

 ようするに今も昔も、業務システム開発のボトルネックは実装過程ではなく「良い設計が手に入るかどうか」にある。実際のモデリングと実装の様子を眺めることで、その事実を実感してほしい。


◆第33回IT勉強宴会in大阪◆
内容:「受注生産」のためのシステム開発ライブ
日時:7月28日(月)18:30~21:00
場所:堺筋本町 大阪産業創造館
費用:有志による会場費の割り勘(500円)
参加申込:こちら

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