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2008.11.15

「特別給付」のデータモデル

 開発の進んでいる「CONCEPTWARE/自治体」から、最近話題の「特別給付」を管理するためのデータモデルを紹介しよう。このいかにもコストパフォーマンスの悪そうな施策をせいぜい効率的に実施するためにも、しっかりしたデータベース構造を据えた業務システムが必要になることは言うまでもない。特別給付の支払事務コストがかさんで、めぐりめぐって住民税が増えたなんてんではシャレにならない。

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 「特別給付」のテーブルには特別給付の名称や給付予定日が登録され、その子テーブルである「特別給付資格明細」には区分(あらかじめ区分テーブルで定義しておく)毎の給付額が登録される。もうひとつの子テーブルである「特別給付対象世帯」には、支給対象となる世帯の一覧が登録され、さらに「特別給付対象住民」には給付時の世帯構成住民に関する情報が登録される。

 いちばん下にある「入出金取引明細」には、納付や給付や還付といった入出金に関する予定と実績が保持される。「特別給付対象世帯」の内容が確定したら、バッチ処理で「入出金取引明細」に関連データが書き込まれる。これは別のサブシステムで振替指示され、また振替実績との突合せがなされるようになっている。なお、「入出金取引明細」は「特別給付対象世帯」だけでなく、タイプに応じて「住民税サマリ」や「国民健康保険サマリ」等の多様な管理簿と参照関係を持っている。それぞれのサブシステムの管理簿が規定のタイプの「入出金取引明細」と関連するようになっているのである。

 「XX地震災害特別給付」での具体例を見よう。住民id"55555"の人物の家は地震によって「半壊」と認定されたので、世帯主であるその人物には10万円が支給される。「金融不況特別給付」においては、その人物と配偶者のそれぞれに1万5千円、子には1万円なので、世帯合計で4万円が支給される。

 「XX地震災害特別給付」の例では、「特別給付対象世帯」の内容は申請ベースで登録されることになるだろう。いっぽう「金融不況特別給付」のような例では、対象世帯は一定のタイミングにおける世帯構成として住民基本データからバッチ処理で取り込まれるだろう。そのような処理に用いられるプログラムはあらかじめ用意されているとは考えにくい。個々の特別給付毎に対象者の評価様式が変わってくるため、ゴミプロ(使ってすぐに捨てられるプログラム)として開発されることになるだろう。

 ここで重要なのは、あらかじめ多様な特別給付に対応できるような管理台帳を用意しておく点だ。それを保守する機能や入出金取引とつなげるための機能を作っておけば、特別給付毎に開発しなければいけないソフトウエアを最小限に抑えることができる。

 「CONCEPTWARE/自治体」には他に、住民基本情報、住民税、固定資産税、国民健康保険といった興味深い管理要素が多く含まれている。システム設計を学ぶだけでなく、行政システムのあり方を考えるための教材にもなるだろう。近日公開。乞ご期待。

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コメント

お久しぶりです。テーブル「特別給付対象住民」の「給付時続柄」や「給付資格区分」は給付時点のスナップショット属性なんですよね。
税金がらみのシステムは、こうしたスナップショット属性の管理が大変そうですね。おおもとの住民台帳のデータが誤っていたときに、スナップショット属性値をどうやって修正するかとか、修正履歴はどうするかとか…。

投稿: keis | 2008.11.20 13:36

keisさん

どもどもです(^^) 自治体システムでは、マスターにもとづいて作られた各トランザクションの内容が通知され、正しくない場合は「更正処理」と呼ばれる修正プロセスを経る形が一般的です。更正締切日を過ぎたら、トランザクションの内容はスナップショット属性も含めて確定されると考えていいんではないでしょうか。いずれにしても、確かにお金のやりとりがからむ処理っていろいろ面倒ですよね。

投稿: わたなべ | 2008.11.21 19:53

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