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2008.01.06

卸売業でも「ロット管理」は常識

 お正月休みを使って「CONCEPTWARE/販売管理」をV1.2.4からV2.0.0に大改訂した。最大の変更点は在庫が「ロット別」になった点だ。

 在庫を「ロット別」に管理するか「商品別」に管理するかは悩ましい問題だった。「CONCEPTWARE/販売管理」は業務知識を学ぶ初心者用の学習教材という位置づけもあったので、「ロット別」にすることで仕様が複雑になることを避けたかった。しかし、たかだか使いやすい教材にするために「ロット管理にもとづくトレーサビリティ」という常識化した社会的要請を無視するような事態はもっと避けたい。そういう判断である。

 じっさいに「ロット別」にすることで、仕様がどの程度複雑になるかをデータモデルで比較してみよう。図1が改訂前で、図2が改訂後である。図2で「商品ロット」と「在庫ロット明細」のテーブルが追加されているだけでなく、在庫取引を引き起こすさまざまな取引管理簿(「出荷明細」、「入荷明細」等)がロットの内訳を扱えるレベルに詳細化されている。

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 ロット管理方式になることで、業務構成も複雑化せざるを得ない。たとえば商品を出荷する場合、出荷実績報告の手順が必須となる。改訂前のように、出荷指示時に「みなし」で在庫更新と売上計上をやって、差異が生じたときだけ実績報告するという便法が使えなくなる。

 なぜなら、出荷指示書(ピッキングリスト)には出荷されるべきロットの内訳ではなく、商品の合算数だけが記載されるからだ。システムが先入先出基準か何かで指示書上にロットの内訳を明示することも可能ではあるのだが、どのロットを出荷すべきであるかは現場にまかせたほうが都合がよいことのほうが多い。ゆえに、指示書上では商品毎の出荷指示数の合算のみを示すようにする。ということは、出荷完了報告を必ず実施してロットの内訳を必ずシステムに通知しなければならない。

 結果的に、図3のような業務フローとなる。「出荷実績登録」のプロセスでロットの内訳が報告され、同時にロットの内訳が記載された納品書が発行される。これが「納品書添付」のプロセスで出荷指示書と差し替えられ、トラックに積載されるのである。

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 DBマガジンでの連載「超モデリング入門」では、旧版にもとづいて説明されていたので、書籍化の際に記述を「ロット別」に書き換える予定だ。初心者にはつらいかもしれないが仕方ない。

 なお、改訂してみて気づいたことだが、ロット管理方式になったことで「CONCEPTWARE/生産管理」との関係が改善された。改訂前では「販売管理」と「生産管理」を比較した場合、「生産管理」で新たに学ぶべき項目が多すぎたきらいがあった。しかし「販売管理」をロット管理方式にしたことで、より漸進的に「生産管理」の学習に進めるようになった。また、今回の改訂でいろいろと気づいたこともあるので、「生産管理」の仕様にもフィードバックしたい。

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