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2007.11.14

フィーチャオプションと部品表

 組立加工業向けの生産管理システムの基本設計情報サンプル「CONCEPTWARE/生産管理」を公開した。11月5日にDOA+コンソーシアムの主催で実施したレビューの結果も反映した。改善の余地はまだあるが、とりあえず現時点のモデルを初版として公開する。例によってご意見、ご要望、ツッコミ大歓迎である。批判を反映してだんだん良くなるホッケの太鼓モデルだからだ。

 今回は、公開されたモデルからFO(フィーチャオプション)と部品表との関係を取り上げて説明しよう。まず、FOのモデルが図1だ。

Image071114_1

 「フィーチャ(feature)」とは「さまざまな形状の構成要素、特徴」みたいな意味の言葉で、生産管理システムにおいて品目の仕様上の特性を表す項目を意味する。たとえば「色」や「サイズ」などは個々のフィーチャになり得る。「オプション(option)」は、ここではそれらのフィーチャ項目が取る値のことで、項目毎にどのようなオプション値を取り得るかはあらかじめ決まっている。「色」のフィーチャに対するオプションは「黒」「赤」「白」のいずれかである、といった具合だ。

 モデル上では示されていないが、「フィーチャオプションコード(FOコード)」も重要なデータ項目だ。FOコードは、規定のフィーチャの組み合わせに対して、それらがどんなオプションを取るかを端的に表す項目である。FOコードの1~3桁目が「色」を表し、4~5桁目が「サイズ」を表すというFO体系があるとすれば、例えば"BLKLL"は「黒のLLサイズ」という仕様として読めるのである。

 FOの枠組を用いない場合、あり得るFOのバリエーションをあらかじめ識別できるように、品番の一覧を用意しておかねばならない(これを筆者は「品番定義地獄」と呼んでいる)。ところが、FOの枠組みを用意しておくことで、受注時や製造指示の際にアドホックに「はじめてのFOコード」を指定するといった芸当が可能になる。事前に存在するのはFOのコンセプチュアルな体系だけで、ここから必要に応じた仕様の組み合わせを生み出せるということだ。

 ただし、製造品のタイプによってFO体系は異なる。「CONCEPTWARE/生産管理」では、「品種」毎にフィーチャオプションの体系を持てるようになっている。したがって、品種コードとFOコードの組み合わせがいわゆる「品目」を特定することになる。

 ご存知のようにデータモデリングにおいて、データ項目内部でシステムが認識すべき意味構造を持つことはタブーである。コード体系の変化に応じて、プログラム上の意味構造の読取ロジックを作り変える破目になるからだ。ところが、それをFO体系という「ユーザ管理情報」としてあえて切り出すことで、データ項目内部での意味構造を許容できてしまうのである。

 次の問題は、FOを部品表や工程表とどのように統合するかである。そのモデルが図2だ。

Image071114_2

 BOM(部品表)に詳しい方であれば、見慣れない項目が載っていることに気づくだろう。「FOマスク」と「マスクオプション」である。

 具体例で説明しよう。品種Aには黒塗料、赤塗料、白塗料、品種Eの4品種がシングルレベルの構成品としてぶら下がるとする。上述のFO体系を例にすれば、図2で示されたインスタンスのようになる。ここでは、黒塗料はサイズに関係なく、品種Aの色が黒であるようなFOが指定されている場合に必要な構成品とされている。このように、親品種はさまざまなFOコードで製造指示されるが、その際のFOコードと構成品のマスキング情報を突き合わせることで、必要な構成品の一覧が手に入るのである。

 同じ工夫が工程表との関係でも適用できる。FOコードによって不要な工程や必要な工程を、マスキング情報を工夫してあらかじめ定義できる(図3)。「外注工程を用いて製造する」というフィーチャを盛り込めば、外注工程を用いる場合の独特な工程構成を扱えるようになるかもしれない。

Image071114_3

 「在庫推移監視方式」が全面採用されている点もそうだが、これらの工夫が盛り込まれた生産管理システムのモデルは比較的ラジカルなものといえるだろう。そんなこともあって、広く意見を聞きたいと思う。皆の知恵を合わせて、有効なモデルとして育ててゆきたい。

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コメント

こんにちわ。Conceptware/生産管理の公開、ありがとうございます。待ち望んでいました。
ところで、この生産管理モジュールは販売管理のスーパーセットという認識でいいでしょうか?
業務フローを数点確認しただけですが、販売管理は購買調達のみで、生産管理は製造調達までも含む、といった感じに見受けられました。
財務管理はフォーカスが異なります。ので、これはこれで勉強の必要がありますね。
自分の考え方と異なるところもありますので、微力ながら、まとめ次第、フィードバックさせていただきたく思っています。
今後ともよろしくお願いします。

投稿: 勉強中 | 2007.11.16 11:28

職務別担当業務について、販売管理と生産管理では以下のような差異があります:
- 販売管理では、マスタ管理者が、商品群情報の保守、メーカ情報の保守、商品情報の保守
- 生産管理では、製造管理者が、品種情報の保守

販売管理の商品情報の保守は、生産管理の品種情報の保守と相当と考えられますが、商品群情報の保守、メーカ情報の保守について、これらは、生産管理では、自社生産品=一品種群かつ自社=メーカという考え方で無くなっているというという理解でよろしいでしょうか?
ただし、個人的には、資材調達品を考えると、商品群情報やメーカ情報の保守機能は必要かと思われます。
このあたりはどのように理解すべきでしょうか?

投稿: 勉強中 | 2007.11.16 11:46

 いよいよ公開されましたね。おめでとうございます。

 モデルの問題ではありませんけど、
>「外注工程を用いて製造する」というフィーチャ
というのは勇み足だと感じました。それをするくらいなら現実には品種Cを分けるでしょう。

 まずは議論のベースとして「品種c+FO=SKU」と明言されてはどうでしょうか。

投稿: HAT | 2007.11.16 13:12

勉強中さん

「CONCEPTWARE/生産管理」は製造業に必要な販売管理機能を含むものです。「製販統合システム」ということですね。

品種情報管理の職掌に関しては、深く考えた結果ではありません(^^; 考えてみれば、品種基本属性も製造品種属性も販売品種属性も購買品種属性も製造部門が保守担当になっているというのは、レファレンスモデルとしては改善の余地があるかもしれません。製造品種属性の保守は製造部門が担当して、販売品種属性は営業部門、購買品種属性は購買部門、とやると品種基本属性はシステム部門ということになるのかな。ちょっと悩んでみます。ご指摘ありがとうございました。

HATさん

> >「外注工程を用いて製造する」というフィーチャ
> というのは勇み足だと感じました。それをするくらいなら
> 現実には品種Cを分けるでしょう。

そうですよねぇ。品種を分けりゃいいだけのことですね(^^;

投稿: わたなべ | 2007.11.17 09:06

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