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2007.09.15

生産管理システムのレファレンスモデル近日公開

 「CONCEPTWARE/生産管理」の開発が佳境を迎えている。「CONCEPTWARE(コンセプトウエア)」はXEADで閲覧・編集可能な業務システムのモデルライブラリーの製品名で、「CONCEPTWARE/生産管理」はその生産管理システム版である。けっきょくこれも他のモデルと同様に無償提供されるので、XEADといっしょにどんどんダウンロードして活用してほしい。

 生産管理システムとひとことで言っても、無限のバリエーションがある。だから、レファレンスモデルとしてどのような業態を前提にしているかに気をつける必要がある。今回公開されるモデルは以下の要件をともなうメーカー向けだ。

(1)プロセス型ではなく組立型である
(2)金型を用いる工程が存在する
(3)在庫はロット単位で管理される
(4)品番とフィーチャオプションの組み合わせで品目が特定される
(5)資材の輸入をともなう

 この中で今回説明したいのが(4)である。「フィーチャオプション(FO)」とは、品種毎に与えられる体系にもとづく仕様を表す情報のことだ。たとえば、FOコードが"M_BLACK"ならば「Mサイズの黒」を表し、"LLRED__"ならば「LLサイズの赤」を表すといった調子だ。この例の場合、フィーチャ体系における1~2桁目が「サイズ("M_","LL",...)」に対応し、3~7桁目が「色("BLACK","RED__",...)」に対応するということになる。品種毎に、それぞれの桁がどんな特性(フィーチャ)を示し、それぞれの特性毎にどんなバリエーション値(オプション)をとるかがあらかじめ決められる。

 「CONCEPTWARE/生産管理」では、製造・販売品だけでなく、購入品についてもFOを利用できるようになっている。もちろん、在庫量もFO毎に識別できる。そして、フィーチャ体系が定まる品種が個々の「品番」なのである。

Image070915

 この枠組みは、従来の「品目グループ」と「品目」との関係が「品番」と「FO」とに置き換わったものと言えるが、呼び方を換えただけの話ではない。この工夫によって、システムが受注生産型を指向すると同時に「品番定義地獄」が解消される。

 上のフィーチャ構成を例として、サイズが4種類、色が3種類ならば12種類のバリエーションということになる。そのバリエーションを品目として表すためには、12種類についてあらかじめ品番を定義しなければならない。しかし、これらをFOとして位置づけることで、フィーチャ体系の起点となる品番を1個だけ定義しておけばよいことになる。個々のバリエーションについては、受注や製造指示の際に必要に応じてFOコードをあらためて設定すればよい。

 フィーチャとして7種類くらいあるのはふつうだし、オプションも下手をすれば10種類以上あったりするので、あり得るバリエーションをあらかじめ定義しておく苦労は並大抵ではない。その手間が大幅に削減されるのである。

 ただし、このアイデアは「言うは易し」なもののひとつで、ロット管理や生産計画と統合された帳簿組織がきれいにモデリングされる必要がある。業務システムに関して効果的なアイデアを思いつくことは、経験さえあればさほど難しいことではない。しかし、そのアイデアを実現するための帳簿組織を的確にデザインすることは簡単ではない。

 じっさい、品番とFOの関係は、計画においても重大な影響を及ぼす。長期的な生産計画は品番基準で立案され、MRP的に購買計画や設備計画が勘案される。いっぽう、短期的には{品番+FO}毎の在庫推移にもとづく需給管理がなされる。遠い未来については品番のざっくりとした網で対応し、近い未来についてはFOの細かい網で対応するという2段構えの調達管理を実現できる。この要件にもとづいて専門家がデータモデリングした結果を、読者はレファレンスモデルとして眺められる時代になったのである。

 「CONCEPTWARE/生産管理」は筆者にとって、レファレンスモデルの「本丸」である。主観的には「CONCEPTWARE/販売管理」の倍以上に複雑なモデルであるが、まとめることが楽しくてしょうがない。その過程でさまざまな気づきやアイデアも得られたので、多くの人に分かち合いたいと思う。

 それで、公開の前にちょっとした内覧会を開きたいと思っているので、興味のある方はぜひ参加してほしい。そして、その場でモデルに対するフィージビリティ上、運用上の批判をどんどんしてほしい。モデルが改善されて、より多くの人に役立つものになるからだ。

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コメント

生産管理とても楽しみにしています。製品の特性を以下に品目の持たせるかは悩ましい問題ですよね。取り扱う商品によって特性っていろいろありますし。内覧会の方は盛況でしたでしょうか?もう少しこの記事に気づくのが早ければ参加したかったですね。まだまだ生産管理の経験が浅いので、ぜひ勉強させていただきたかったです。完成を楽しみに待っていますね。

投稿: hikasa | 2007.10.02 01:46

けっきょく、上記のモデルの「品番」を「品種」と呼び変えました。これで、品種コードとFOコードが組み合わされたものがいわゆる「品番」に相当する形になります。他にもいろいろと良いアイデアが盛り込まれているので楽しみにしていてください。それと、内覧会はまだ実施していません。期日が決まったらまた案内しますね。

投稿: わたなべ | 2007.10.03 10:16

XEADで、DBの設計をして外部キーを設定した場合に、
FOREIGN KEY (CompanyId) REFERENCES Company (CompanyId)
とか展開されると思うのですが、
FOREIGN KEY (CompanyId) REFERENCES 会社 (CompanyId)
のように展開されます。
会社テーブルの方では、
CREATE TABLE Company…となっているので整合性が取れていないのかなと思います。
sqlファイルを作成するときでは確認していないのですが、XEADの画面上でCREATE文を参照した時にこうなります。
なにか、設定があるのでしょうか。

投稿: MZ | 2007.10.04 17:20

MZさん

えーっと、私が何か勘違いしてるかもしれませんが、最新版でもその現象が起きるでしょうか。以前はそんな風だったということもわからないのですが、今では次の2パターンをCREATE TABLE文の出力設定ダイアログで選べるようになっています(XEAD起動時のデフォルトはA)。

(A)
CREATE TABLE テーブル記述 (
...
FOREIGN KEY ... REFERENCES テーブル記述 (...)
);

(B)
CREATE TABLE テーブルID (
...
FOREIGN KEY ... REFERENCES テーブルID (...)
);

ダイアログでいったんパターンを選ぶと、それ以降は個々のテーブル定義のDDLを参照する場合もそのパターンに追随するようになっています。

投稿: わたなべ | 2007.10.05 06:48

今日、ちょっと確認します。回答は、夜できるようにです。

投稿: MZ | 2007.10.05 08:15

V1.R3.M8でした。
なんか、古そうな気がしますので、最新にバージョンを上げて確認してみます。

投稿: MZ | 2007.10.06 02:29

最新のV1.R3.M14で確認したところ、解決していました。ご心配おかけしました。

投稿: MZ | 2007.10.06 02:37

もしできましたら、いつ頃のリリースを予定されているかをお知らせいただけますでしょうか?
お一人で精度を高めるという進め方はもちろんありですが、あえて完成前の版でリリースして、多くの人間を巻き込むという進め方もあるかのように思います。#もちろんコミッタとして全く譲る必要はありませんが。

投稿: 待ち人 | 2007.10.22 18:21

待ち人さん、お待たせしてます。

レビュー版を11月5日に公開します。その内容をDOA+コンソーシアムで関係者に袋叩きしてもらえることになりました(^^;

http://www.doaplus.com/html/kiji/kiji_20071105.html

会員登録が必要ですが、ご興味があればどうぞ。レビュー結果を反映した確定版(初版)は11月中に公開する予定です。こちらのほうも独立イベントにてあらためて説明したいと思っています。

投稿: わたなべ | 2007.10.24 10:18

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