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2006.06.03

「科目履修管理」のレファレンスモデルが登場

 教育関係者に朗報である。四年制大学向けの履修管理システムの基本設計情報「CONCEPTWARE/科目履修管理」が、この夏に公開される。同時期に出版する本(システム設計の練習用問題集みたいなもの)で扱われている業務要件にもとづく連動企画である。3年前に書いた「上流工程入門」では、基本設計書の一部を図版として示すだけだったが、今回は無償のモデリングツール「XEAD」で閲覧・編集できる設計コンテンツとして誰でもダウンロードできるようになる。大進歩である。

 システムの規模としては、テーブル数20、機能単位数40程度と小さめだ。「CONCEPTWARE/財務管理」のテーブル数80、機能単位数270と比べると、その小ささがよくわかる。しかも、「財務管理」は簿記の知識がない人にはチンプンカンプンだろうが、「科目履修管理」は業務としてわかりやすい(かといって単純すぎるわけではない)。

 その本には「科目履修管理」と合わせて4つの設計事例が載っていて、「上流工程入門」と同様に、事例毎にユーザとの対話を通したモデリングの様子が実況中継される。その過程で、描かれた図面に対してユーザから執拗にイチャモンがつく。直ちに図面を改善しないといけない。読者ならどうする?――という現実的で実践的で切迫した設計課題が盛りだくさんである。課題をこなすだけでなく、「科目履修管理」については完結した設計情報コンテンツがオマケとしてついているというわけだ。

 オマケとはいえ「CONCEPTWARE/科目履修管理」は単独でもいろいろな活用方法があるだろう。学生向けには、自学(高校や専門学校を含む)の事情に合わせて仕様をカスタマイズする演習とか、カスタマイズ結果にもとづいて実装する演習に使ってもらえばいい。一般ユーザには、使ってみたい言語やツールを用いた実装練習用のダシとしてもらえばいい。

 いちばん期待しているのは、さまざまなオープンソースツールで実装したものが「オープンパッケージ」として公開されることだ。そういうものが流通すれば、津々浦々の教育機関での教務管理業務の合理化が進むだろう。また、許多(あまた)あるオープンソースツールの比較検討材料にもなるだろう。

 もうひとつ期待しているのが、「CONCEPTWARE/科目履修管理」を参考にして、IDEF1X、UML、BPMNといったさまざまな様式にもとづくレファレンスモデル(オープンデザイン)がまとめられ、公開されることだ。それらもまた、許多ある分析設計方法論の比較検討材料となるに違いないからだ。

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